個別指導の弱点2016年10月03日 11:44

うちは、個別指導という形を取っている。
わからないところを丁寧に教えてもらえる、という利点が一般にはあると思う。
それはもちろん間違ってない。

しかし一つ弱点がある。

授業後の管理までできないと言うこと。
別に個別に限ったことではないが、個別だと、一応授業中の本人の反応が直接つかめるので、わかりやすく丁寧に教えることはできる。
生徒達に満足は与えられる。

問題はその後。
当然定着のために宿題を出す。
これをやってこない。

この場合、ほとんど元の木阿弥。次回来たときには、前回の内容はどこかに行ってる。

個別は比較的、勉強が遅れているイメージのある生徒が取ることが多い。
授業をきっかけにまじめに勉強してくれれば良いが、なんとなく塾に来て、授業受けて、わかったつもりになって、家帰ったらほとんどなにもしない、こんなパターンはそう珍しくない。


結局堂々巡り。

これでは直近のテストくらいはどうにかなるかもしれないが、長期的に成績を上げていくのはかなり難しい。

勉強が遅れる理由はいろいろあるが、その生徒の習慣というか、文化に依拠することが多い。
塾はきっかけであり、最後は自分と向き合い、自分を変える覚悟が必要。
行っただけでどうにかなるなら苦労は要らない。

もちろん授業や教材の工夫などはこちらの仕事。
やらない生徒が悪いとは毛頭思ってない。

ここ数日、テスト勉強している生徒を見ていて、やはりコツコツと自分の勉強に取り組んでいるから成績がとれるんだよなあ、と強く感じた次第。

個別って、依存度が高くなりやすいが、依存だけではどうにもならんのよ、というお話。

当たり前の話2016年10月04日 11:52



テスト前は、日曜も塾を開放して勉強させてる。

もちろん強制ではないので、来る来ないは自由。
自宅の方が勉強できると思ったら、そうすれば良い。

とはいえ、おおむね塾に来てまじめに勉強している方が、成績は良くなりやすいが。

家でやる、というのは一種の逃げ、というか言い訳の部分もあるから。


テスト勉強は、大量に出される課題を片付けることから始める。

たまに直前になっても、ほとんど手つかずな生徒もいる。
もちろん、1週間前には終わらせている生徒もいる。もちろん後者の方が成績が良いし、私は1週間前を目標に終わらせるよう言い続けているつもり。


で、前者の生徒が、あんまり勉強した気にならない・・・ とか言うことがある。


当たり前の話である。
直前になっても、ちょろちょろとしかやらないで、どうやって成績が上がるのか?

土日も塾に来て、休み返上でまじめにやっているのと、やっているかどうだかハッキリしないのが同じ成績など取るわけもない。

そもそも学校の提出物をまじめにやらない生徒というのは、当然内申があがらない。
テストの点数もまあそれなり。

高校受験程度なら、どうにか乗り越えられるかもしれないが、その後が予想以上に響く。でもその実感はなかなか伝わらない。


学校のシステム上、まじめに授業を受けて、まじめに提出物を出す生徒が評価を受けるのだ。

(案外、テストの点数というのは、そこまでの評価対象にはならない。もちろんおおむね相関あるが、一発勝負での評価でないのは確か)
どのような理由があろうとも、そこから逸脱すると言うことは、それなりのリスクは伴う

まだまだ未熟故に、情状酌量の余地はあるが、自制して取り組む努力だけはしなければならない。

わかりやすい、面白い授業を聞いて、個別に教えてもらえる

それだけでわかった気になって、成績が上がるという魔法などありません。

じゃなければ、休みを返上して自分の勉強にコツコツやっている生徒がかわいそうである。

最初はグー2016年10月06日 12:28

平塚にある、KOSHIN学院 の先生のブログを読んで思い出した事。

勉強ができるようになるには段階がある。
まずは、何でもいいから1科目できるようにする。
数学あたりが一番やりやすい気もするが、できそうな科目、やっていてあまり苦にならない科目でいい。

まずはそこで80点以上くらいの成績をとれるようになると、そこで培った勉強の方法がほかにも応用が可能。

これを私は、「最初はグー」戦略と勝手に呼んでます(笑)

グーの次はチョキ。
2科目に増やすんです。

そして最後はパー。5科目です(笑)

できる生徒というのは、だいたいどの科目もできる。
英語は100点に近いけど、数学は20点台なんてのはあまりない。
こういう生徒は、勉強のやり方がだいたい身についているから。

だからまずできるようになるためには、身近な一科目から。

あれもこれもとやっても、結局力が分散されてしまう
そもそもやる事が増えすぎてしまい、やる前から気持ちが萎える。

目の前の事を一つ一つこなす。
その積み重ねで目標にたどり着く。


というわけで、最初はグー!

渡りに船状態が、本当に良いのか?2016年10月07日 11:34

個別指導というのは、先生がすぐそばにいて、わからない事があればすぐに教えてもらえる
そんなイメージがある。

しかし、いつもいつもそんな状況で良いのか? 


課題に取り組み、自分なりに考えてわからなければ聞く。
それはそれで正しいのだが、問題は、自分なりにどこまで考えたか?

ちょっと問題を見て、もうわからない?
これは、単に考える事を放棄している状態に近い。

単に単語の意味がわからないから聞く?
先生は辞書ですか?

なんか便利にその場の課題をクリアするために存在するのでは、あまり意味がない。

聞いた事をもう一度自分でやってみればいいのだが、大概は、説明を聞いてわかったつもりになっているだけ。
宿題を出しても、やっているんだかどうだかわからない場合は、まあ次の授業の時にはほとんど抜けてる。


勉強はしんどい
でもやらなければならない

そんなとき、個別だと何でも聞ける
だから、聞いてその場を解決

勉強しました!!


これだけでテストの成績が上がればたいしたものである。






勉強する目的は、自立してできるようにしなければならないこと。

生徒が真剣に考える手助けをしているのか?
単なる渡りに船で、わかったつもりになっているだけなのか?

そこを厳しく見ていかないと、単なる依存心ばかり育てる事になる。



というわけで、今週の更新はここまで。また来週。

そろそろ現実を見据えないと2016年10月12日 12:51



これは、あくまでも都立第一志望の場合のはなし。

中間テストも終わり、併願の私立高校については、そろそろ現実的に志望校を考える時期。

王道は内申確定後、併願推薦をとって、本命の都立にかけるパターン。

あと一回定期テストはあるが、そろそろ内申も見えてくる。
その結果に基づき、併願推薦をとるのか? はたまた一般で行くのか? 決めておかねばならない。

併願推薦でも私立併願OKの場合と、都立のみ認める場合もあるから、注意が必要。

いろいろ希望はあるだろうが、ある程度現実を直視し、現実路線で併願推薦を確定し、あとは都立に向けて実力をつけていくのが、この時期としては正しいかと。


いろいろ狙って、私立も良いところあれば・・・ というのも正しいが、自分の実力(内申)を考え、それほどの選択肢がないなと思ったら、都立第一合格のための勉強をし続けた方が良いと思う。


虻蜂取らずにならないように

戦い方はいろいろあるんだと2016年10月13日 12:06

昨日の続き。都立高校第一志望の場合。

何回か模試を受けていると、志望校と自分との実力差が見えてくる。
今の段階で合格圏という場合もあろうし、努力圏とか、場合によっては志望校を再検討せよとか・・・

とはいえ、模試の判定は、あくまでもその業者が出している合格ラインに基づいてのもの。
そのラインを突破していれば、合格の可能性は十分あると言うことだ。


しかし都立高校の場合、いわゆる合格最低点がない。欠員を出さないのを原則としているので、競争倍率次第によってはこの合格ラインは下がってくる。

毎年模試の受験動向や、予備調査などによる倍率予測から、私は合格ラインを予想している。
おおむね外れてない。やはりこれは長年の経験からだと勝手に自負している。

それに基づき各生徒には、当日点の目標を伝え、どこをどうするべきなのか?改善点を話している。

それが受験直前までにやっていることだ。


学校では無難な進路指導をすると思うので、おおむね常識的な範囲でしか勧めてこない。
私と違うことは多々ある。

現在の結果だけで簡単に考えることなく、常に最善の努力をしておきなさいと言うこと。
戦い方はいろいろあるんだと。


ちなみに乖離が大きいのは、やはり中堅より下の学校と専門学科の学校。
すべてに通用するわけではないので注意。

逆効果2016年10月17日 12:00

中学生くらいになったら、適度な距離を置くのが基本。

最近の親御さんも高学歴の方が多いので、ついつい見かねるんだろう。
たまに、子どもの勉強方法にあれこれアドバイスされている親御さんもいるが、経験上

「当人から聞かれない限りは、なされない方が無難」です。

やはり年頃の親子関係は難しい。

どうしても感情のぶつかり合いは避けられない。

無理に口出したとしても、子供からすれば「やらされている感」がぬぐえない。

また、これが最大の欠点だと思うが、継続してのチェックがほぼ不可能。

PDSサイクルで言うと、Sの部分がほぼ不可能。

やらせてみたは良いけど、数週間ほどで、結局雲散霧消になることは多い。

親御さんも何かと忙しいので。


しかし実は、継続作業が一番大事。
これは、根気を要する仕事。ある意味プロの領域かもしれない。

中学生くらいの子に、勉強の仕方で介入することは労力に見合わないことが多いので、遠慮しておいた方が無難。


ここはグッと我慢して見守り、本人に模索させた方が良いのです。

ただし、あまりにもサボっているなとなったら別ですが。


適度な距離感。
無視はダメだし、過干渉はもっとダメ

思春期の子供に対する永遠の課題です。

素直さ2016年10月18日 12:00

勉強できる生徒は、大概素直。
逆に言えば、苦戦している生徒は・・・

要は自分勝手。
指示を聞けない、聞かない。
そもそも、指示されていることを自覚してない?

自分で納得しないとできない という言い訳も成立するが、ならば納得できるまでやれば良いのに、
いつの間にか雲散霧消し、そこから離れる。

できないのに、人並み以下の勉強で、できるようになること自体が不思議である。


学ぶはまねる。

言われたとおりにまねてみる。
別に学校の勉強で、独自のやり方など聞いてない。
素直に取り組むしかない。
そんなことしているうちに、学校はドンドン進む。

そもそも独自というのは、圧倒的な知識が土台にある。
何もないので独自なやりかたなど出るわけもない。

まずは素直にやってみる。

それでもまだ自己流にこだわるのなら、圧倒的な時間をかけてやってみれば良いのだが、まあ大概はやらない。こういうのは単なる言い訳である。

少し辛口になったが。
別に言いなりになれとは言ってない。
自分ができるようになるためのしたたかな戦略である。
目先のプライドなど捨てて、大きなプライドを取りなさい。

したたかさって、大事だよ。まあそれは追々後述。

口先番長?2016年10月20日 12:38

テスト前によく出没する。

今日はこれを頭に詰め込みます。
今日は、ここまでやってから寝ます。
朝も早く起きて復習します。

その意気込みは良いが、本当にやれているのかどうか?
そもそもやっていたとしても、どの程度やっているのか?

すべては自宅でやっていることなので、詳細はわからないが、結果を見れば大体の様子はわかる。

ただ昨日も書いたように、まだまだ幼いのが現実で、やる気と実際が空回りするのも幼さ故。

だから、一概に結果が出てないからといってダメだとは言い切れない。

その分意欲が出てきたと、好意的に解釈してあげた方が精神的にもよろしい。


勉強のすべてが苦しいものだとは思わないが、ある程度自分に負荷をかけないと、できるようにならないのは事実。
特に勉強が遅れていると自覚している場合、その負荷は自分の想像を超えるものでなければ、まず追いつかない。
今までよりもちょっとだけ(あくまでも自分比程度ね)やっただけで追いついてしまったら、普通に頑張って勉強している生徒が気の毒である。

できるところだけやって、少しはわかったとしても、それはようやくスタートラインに着いた程度。それでテストの成績にすぐ反映されると思う方が甘い。
そんなのはあくまでも準備運動程度と思っていた方が良い。

せっかく勉強する習慣はついて来たんだろうから、さらに負荷をかけてやっていかないと。


でも、それが簡単なようで非常に難しい。
その子が培ってきた文化に関わる問題だから。

ある意味革命が必要だが、そこまでの覚悟はなかなか持ちにくいのが現状。
一発逆転に賭けます? それこそ思うつぼなんだけどね。
まあ、これは余談。

そう簡単に、一発逆転はないのよ2016年10月21日 13:50

まずは自分のできるところから。
一つでもできれば、今日はよし。

その繰り返しで・・・

確かに理想的な展開ではある。

とくに極端に成績が不振な場合、こういう戦術を最初にとることはあり得ると思う。

まずは勉強の習慣づけというか、そもそも勉強に対する抵抗感をなくす意味で。
しかし、この後の展開がそうそううまくいかない。

じゃあ、頑張ったらご褒美?
それも否定はしないが、どこまで効果あるかはなんとも・・・

わかるようになれば、やる気も出てさらに頑張れる というのは理想ではあるが、これがそう簡単ではないのだ。

やはりできなくなっている生徒は、できないだけの理由がある。
もっと言えば、そこまで培ってきた生活習慣とか、考え方などの「文化」がある。

この「文化」をときには、革命級に変えなければならないのだ。

この作業は、彼らの本能に触れることになる。
本能レベルでの葛藤を垣間見ることだって多々ある。

そこまでして始めてスタートに付くことができる。
勉強に対してキチンと向き合うことができる。

しかし実際は簡単な話ではない。

目の前のことが一つできるようになった!
では、実際の成績にどう反映させるか?

この道筋がどんな生徒でもスムーズにつけられ、端から見て楽して成績が上がるような指導力があれば、私はおそらく左うちわだろう。


でもねえ・・・一発逆転の魔法なんてまずないのよ。



地道に積み上げていく大事さを伝えていくしかない。
幸いなことに、今来ている生徒達はそのことがわかっていると思う。
そういう意味では恵まれているなと思ってる。